1月28日 森田剛、氷結してしまった滝- 岸善幸『前科者』

新宿TOHOで岸善幸『前科者』。

森田剛は『ヒメアノール』で唐突になにかの塊となってスクリーンに現れ、

わたしたちを戦慄させた。

ただ物体が画面の中にある。

ある時期に固まってしまった顔面、後頭部。

笑いや涙や何かの凄まじい感情の流動の最中に、灰に埋もれ、

生きたままミイラとなってしまった男。

顔面には、複数の深い皺が刻まれている。

あるいは、夜のうちに氷結してしまった渓流の滝・・・

顔面はもはやそれを使って何かを言い表すため、表情をつくるためのものではなく、

それ自体が画面の中のもうひとつの画面となる。

だからこそ、固まってしまった顔面には、あらゆるすべての表情が可能。

この映画の中では、森田剛だけが真実のようである。

 

 有村架純「好きな食べものは?」

 森田剛「ラーメン」

 

そして顔面は溶け、液体となる。