デヴィッド・ロウリー『ピートと秘密の友達』

 朝、新宿、中川君に会う。
 TOHOシネマでデヴィッド・ロウリー『ピートと秘密の友達』見る。事故からエリオットに会うまでの冒頭のエピソードから、この映画が最高なビルドゥングスロマンであることを予感させる。その通り、この映画は最初から最後まで、「すべての映画は「さようなら」を言うためにある」というペドロ・コスタの言葉をつねに想起させてくれる、最高のビルドゥングスロマンである。
 少年や少女は、密かにはぐれ者や木偶の坊や怪物と交流し、親しくなるが、彼らは社会から隔絶されたり排除され、少年少女は世界に絶望する。一人ベッドで枕を濡らす夜、再び救世主が現れる。そして、少年少女は彼らに「さようなら」を言う。『パーフェクト・ワールド』であり、『MUD マッド』であり、『ミツバチのささやき』であり、『E.T.』である(子どもたちが集団で自転車こいでいるのは、明らかに『E.T.』だ)。
 昼、恵比寿。「バーガーマニア」でアボカドバーガーとコーヒー飲む。写真美術館でホセ・ルイス・ゲリン『ミューズ・アカデミー』みる。
 夜、渋谷。
 「魚力」でさば味噌定食食う。相変わらず最高にうまい。小鉢のまぐろ刺身としじみ汁とごはんと、広い器に盛られたさば味噌を、お箸と、さば味噌の汁を飲むために付いてくるスプーンも使いながらとにかく食うと(さば味噌の汁には長ねぎととうふも入っている!)、食が「ドライブする」感じがある。
 シネパレスでフェデ・アルバレスドント・ブリーズ』見る。これも最高に面白い。最後、彼女を追って家の外に出てきたおじいさんが、ちゃんと上着を着ているのがグッとくる。