10月26日

1年前にパソコンが壊れてからアイポッドの中身が更新されていない。そろそろ新しい歌が聞きたいと長らく思っていたが、今日アイポッドを適当にいじっているとラジオが聞けることがわかりラジオを聞き始めた。
昔からテレビとビデオしか見てこずラジオは全く聞いてこなかったので、どのチャンネルがどんな位置づけにあるのかすら分からない。そのまま夜公園をランニングしているときInterFMで高橋幸宏の「Everyday Music」がやっているのを発見し、さらに夜中寝る前に細野晴臣の「Daisy holiday」を発見した。この2つを聞いてまったく今更ながらラジオすげえ!となった。
高橋先生や細野先生が紹介してくれる未知のフランクフルトの曲やカラスがカァカァ鳴いている50年代のオーケストラの曲に衝撃を受ける。直接紹介してくれるというのがいいのかもしれない。長らく忘れていた感覚が蘇る。それは初めてユーロスペースに行き『殺人に関する短いフィルム』を見たときのあの緑色のフィルムに触れて感じたポーランドの恐ろしい「遠さ」の感覚である。フランクフルトを遠く感じるということを長らく忘れていた。あるいは距離の感覚すら失われて失語症に陥る感じかもしれない。最近では映画を見るという体験を、自ら作り出した地勢図や年表、相貌にその作品をはめ込み、あるいははまるだろうということを確認するだけの作業に成り下げてしまっていた。これは愚の骨頂である。
深夜1時半からやっている細野先生のラジオはとりわけ衝撃を与えてくれた。細野晴臣とアシスタントのコシミハル、岡田崇がそれぞれ持ち寄った音源を時間の許す限りオンエアし合間にちょっとトークする、という映像文化でいえば一体何に当てはまるのか?なんて自由なのか!というスタイルにまずカルチャーショックを受ける。紹介してくれる曲もさながら、細野先生の重低音の声も素晴らしいし、トーク苦手なコシミハルの沈黙に対してもその寛容さと余裕でそれを持続させるのに衝撃を受ける。さらに収録は細野晴臣のプライベートスタジオで行われているという!