新垣結衣と堀北真希は私の飛車と角である。２人が88年生まれであるという事実が89年生まれの私を救う。新垣結衣は88年6月11日に生まれ、堀北真希が88年10月6日、そして私が89年10月8日に生まれた。つまり2人は学年がひとつ上である。
もはや新しくデビューする人間がことごとく自分より年下になってしまった。連中が97年、98年生まれであったりするとわけがわからない。ゼロ年代生まれとなるとこれはもうインターネットではないかとパニックに陥る。一瞬にして時が過ぎ去ってしまったと絶望する。地下鉄のジジイの気分になる。
新垣結衣と堀北真希に救われる。２人が瑞々しさを保っている限りは大丈夫である。新垣結衣と堀北真希に僅かでも残り香が薫れば私は走り回ることができる。キッズリターンさながらに、自転車をこぎながら私が「俺たちもう終わったのかな」と言うと後ろにまたがる新垣先輩と堀北先輩が「馬鹿野郎、まだ始まっちゃいない」言う。
