9月26日 最初は自分でブランコを動かさねばならぬ

渋谷、イメージフォーラムでルーシァン・キャスティーヌ=テイラー、ベレナ・パラベル『リヴァイアサン』見る。
漁師には漁師の撮り方というものがある。が、彼らは漁師の撮り方によって撮られていない。なので彼らがエイを裂き、ホタテの貝殻を必死に集め、鎖を巻いたりしているのが、目的なく猟奇的にやっているように見える。ホースを機械で巻き取るシーンでごっつええ感じの『腸』を思い出した。彼らは漁師ではなくショック集団のように見える。何か言葉を発しているが聞き取りづらく字幕もない。漁師ではなく暴力が撮られている。そしてやはり暴力は音によって際立っている。
船内でテレビのニュースを見ているおやじさんの姿には泣ける。漁師の孤独。陸から隔絶された場所で、陸に魚を送り届けるという目的を見失う瞬間、ふと自分たちはショック集団なのではないか、と。
帰宅、公園5周。『アオイホノオ』最終回見る。この時間帯の新ドラマに期待の広瀬姉妹の姉さんが出るようだ。
『メカスの映画日記』を初めて読み始める。もっと早くに手にするべきだった。今日からぐっすり眠れそうだ。

それはブランコのようなものだ。最初は自分でブランコを動かさねばならぬ。それからはブランコが私を揺すり、同時に私もブランコを揺するようになる。ブランコとはどこで動き始め、どこで止まるものなのか。ブランコとは一体何なのか?(p9)