5月31日

 吾妻ひでおの漫画に、文学フリーマーケットに来た男が、売られている品をひとつひとつ順番に文学か文学ではないか指摘していく、といった内容のものがある。たしか、売られている便器や白いウンチやその他諸々のものを順番に指さして「文学!」「文学じゃない!」と叫び指摘する。
 まずはそういった軽い気持ちで始めるかもしれない。『映画!」「映画じゃない!」といった風に。もちろんそんな簡単に映画が撮れるなどとは決して思ってはいない。
リハビリテーションとして、練習として、日記を映像で付けることを始める。つねにビデオカメラを持ち歩き、何かを撮り、編集し、Yotutubeにアップして、映像の日記を付ける。それらはつねに映画たろうとして撮られる。
 しかし日常生活で何か面白いものが撮れる気が、見るに耐えるものが撮れる気がまったくしない。1、2回で終わるかもしれない。それでもとりあえずやる。最低1週間に一度は映像の日記を載せられるとよい。あるいは案外楽しくなり、調子が出てきた折に「ミニにタコ」という題の日記を撮って逮捕されて終わるかもしれない。
先日買った坂本慎太郎の『ナマで踊ろう』を作業BGMにしながら編集するのは楽しい。この世はもっと素敵なはず。
 
手始めに数年前に撮った処女映画を載せる。今日の日記ではない。数年前の正月の日記だ。富山でロシア映画を撮ることを目的に撮られた富山映画だ。残念なのは、ファイルを保存しておいたHDDがこわれ、現存するのはこの画質の悪い幻のファイルのみだということだ。