1月20日 レフン『ネオン・デーモン』

 『ネオン・デーモン』で頭にこびりついて離れないのは、ファッションショーのオーディションのシーンで、明らかにエル・ファニングよりも自らが上回っていると思っている女性が、審査員のデザイナーに存在すらしていないかのように扱われた上で、エル・ファニングの審査の番では、デザイナーは恍惚の表情でエル・ファニングが歩く姿を見つめる。先ほどの女性は嫉妬の視線をエル・ファニングの審査に向ける。
 このシーンはたとえば、『こわれゆく女』のスパゲッティのシーンにもうちょっとで匹敵するんじゃないかというくらいいい。そこには顔があり、何かあたたかさとか親密さとか団らんや祝福のようなものがあって、最高に幸福なシーンである。