1月14日 ゲリン『ベルタのモチーフ』

 昼、神保町。「ボンディ」でビーフカレー食う。
 夕方、恵比寿。
 写真美術館でゲリン『ベルタのモチーフ』。
少女ベルタが掌にコオロギをのせ、尻をつつき、砂に埋めるのが最高に良い。違法越境的である。コオロギだけでなく、年下の少年や、カエルや、小鳥と戯れるシーンにも、同じく官能性がある。ベルタはいわばコオロギや、カエルや、小鳥と同じサイズまで小さくなり、それらと性戯を繰り広げることができる。バカ殿の小さくなって性的ないたずらをする回を思い出した。ジャン=ルイ・シェフェールが『映画を見に行く普通の男』で同じようなことを言っていたかもしれない。
 ロマンポルノの官能性がなによりもそのアフレコによる音のずれにあったように、「ベルタのモチーフ」の官能性もまた、その音響にある。「ベルタのモチーフ」では虫たちがこれでもかというくらいによく「喘ぐ」し、馬の足音は過剰にずれる。

ベルタのモチーフ [DVD]

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