6月4日 本当に笑うためには死なねばならない!

数年前、アテネ・フランセで見たあるストローブ=ユイレの映画の中で、スクリーンプロセスが使われていた。スクリーンプロセスというと大概は自動車など乗り物の背景の風景映像として使われているが、ストローブ=ユイレのスクリーンプロセスは違った。たしか、(スクリーンに映された)廃墟の前に2人の男が立っており、その(スクリーン上の)廃墟について2人の男が語り合っている、というものだった。それを見て笑い体の芯から嗚咽した。


本当に笑うためには死なねばならない!(丹生谷貴志『砂漠の小舟』)