7月5日

吉祥寺アップリンクホン・サンス『小説家の映画』。

 

メリエスの『月世界旅行』で、

月から落下するロケットが着水するのを待つ、静かな水平線の「待ちポジ」。

ここでは既に、映画では「待つ」ということが、本質的で、

何か凄まじい力をはらんだものだということが示されている。

 

やはりキム・ミニは映画を見る。

そしてその間、屋上でキム・ミニが映画を見終わるのを待ち、

小説家はタバコを吸い、男女は小説家がタバコを吸い終わるのを待つ。

ここに何か凄まじいことが起こっている。

 

映画を見終わったキム・ミニは、エレベーターで屋上に上がるが、

そこでどのような会話がなされたのか知るまで、

我々は永遠に待ち続けなければならない。