スーパードンキーコング

 恐らく人生で初めて買ってもらったCDはスーパードンキーコング1のサウンドトラックCDで、ジャケットに一本のバナナの絵が描かれているので、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのアルバムと間違えて買ってきてしまったようななかったような記憶がある。
 
 当然、当時5歳か6歳そこらの少年であった僕が、それが一体何を意味するのかを知る由もないまま、サルやゴリラが自由に動いてくれるというだけのその愉快な遊戯に飽きることなく、一方で、ワニが歯をカチカチとならすその音がなんとなく気持ちいいなと感じながらも、その感覚に「フェティシズム」という言葉が与えられることもまた決してなかった。
 
 今ふたたび見ると、ドンキーコングはおかしい。特にスーパードンキーコング2は1や3に比べて、鉱山とか洞窟とか廃墟とか、自殺の名所みたいなステージだらけで辛い。背景にサーカスとか観覧者が見える夜の舞台で、ネズミ型のコースターに乗って追いかけられる「コースターレース」とか、毒液が下から溢れてくる塔をひたすら登る「どくどくタワー」とか、とても自分の子供にはやらせたくはないステージばかりだ。作った人は相当な人ではないかと思う。敬意を払いたい。