甘かった

甘かった。ほんとうに甘かった。
東京国際映画祭の「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」の上映にヴィム・ヴェンダースが来るということを、友人のナカガワ君に知らされて、今日初めて知った。当日券を逃しても今度上映されるときに見ればいいと、そう思っていた。が、ヴェンダースが来るとなると話はまったく違ってくる。知っていれば、絶対に前売り券を買っていた。
前売り券はもちろん、もう売り切れ。当日券を何としても手に入れるしかない。

東京国際映画祭のホームページでヴェンダースの「Pina/ピナ・バウシュ」が上映されるという情報はチェックしていた。しかし、怠慢から、詳細をチェックすることはしなかった。だから、ヴェンダース来日の情報は、見逃してしまった。
実を言うと、ヴェンダースが来日するのではないかということは、なんとなく予感していた。ヴェンダースはよく来日する。小津安二郎に捧げた「東京画」を撮るくらい、彼は(恐らく)日本が好きだ。だから今回も来るのではないかと思っていた。しかし「忙しいだろうから今回は来ないな」と、僕にとってマイナスにしか働かない思い込みを、「詳細のページ」へのワンクリックをするのが面倒だったから、自然にしてしまっていた。
もうひとつ言えば、ツイッターで「ヴェンダースが来るよ!」という情報はきっと流れていたはずだ。僕はこの汚れたアンテナのせいで、その情報をとらえることができなかったのだ。アンテナの掃除を怠り、それをピンと張っていなかった。きったない、くっさいアンテナを、僕はずっとそのままにしていたのだ。ハエがたかり、ウジが湧いたこのきったない、このくっっさいアンテナ。折ってしまいたいくらいだ。

僕はとんだ大バカ者だ。バカタレだ。カバチタレだ。
僕の先生は「現場に立ち合い続けろ」と仰る。今回、当日券を逃し、もしヴェンダースに逢えなかったら、それは僕にとって大きなマイナスになるに違いない。ああ、甘かった。