新宿TOHOでタイ・ウェスト『X』見る。
映画内ポルノ映画は、監督の思い通りにはならない。
ガソリンスタンドのシーンは、主演女優の助言(「ガソリンのノズルのアップから撮った方が、ペニスを挿入しているように見えるのでは?」)によって変更され、
また、監督の彼女である音声スタッフが「私も映画に出たい」と言い出し、プロットの変更を余儀なくされる。
並行して、この映画自体もまた、編集によって壊れそうになる。
何もない草原のロングショットが持続する時間。
部屋に侵入したお婆さんの主観カット、バカ殿のようだ。
カットに先行して、あるいは遅れて短く2度はさまれる、その次のカット、あるいはすでに終わったはずのカット。
初めて映画をつくるものが編集(発明)したようなつなぎ。