9月6日

金曜日、祖母が亡くなった。これですべての祖父と祖母が亡くなった。
正月やお盆に親戚の家を訪ねるとよく祖母はクイズを出してくれた。クイズに正解すると図書券がもらえる。それは「古池や蛙とびこむ何か」とか「柿食えば鐘が鳴るなり何か」といったクイズで、僕も兄も照れて答えないので、結局じゃんけんをして図書券をもらった。
土日、葬儀のために実家に帰る。火葬場の鉄の扉がラルジャンのATMのように開閉して祖母の入った棺が消えていったので、最期がこれではあまりにあまりすぎるだろうと思った。それは自動の鉄の扉だったが手動のようであり、学習発表会のアリババの劇で黒子が裏で開閉する扉のようだった。が、こういったことを通して、到底捉えることのできない死というものにかろうじて微かに触れたような気がして、帰りの送迎バスの中で必死にこらえた。