1月10日

夜、新宿、中川君に会う。
武蔵野館でディアオ・イーナン『薄氷の殺人』見る。画面の奥の方で関係ない「群衆」に歌わせたり踊らせたり並ばせたりするのが東欧・ロシアの臭いがして、必ずしも成功はしていないと思うが良かった。エキストラを「一列に並ばせる」とか「トラックの荷台に詰め込む」とか「塊として立たせる」(そして主人公がその前を横切ったり見たりする)とかいう演出は最近あまり見ないが、そういうのは「群衆」の系譜としてあって、志として良いと思う。
歌舞伎町の四川料理『川香苑』で鶏のカシューナッツ、チャーハン、小籠包食う。今まで見たことないうまそうな料理がたくさん運ばれてきてしかも最高にうまかったし桃源郷のようだった。最高にうまい料理をたらふく食わせて、その後なにかされるんじゃないか心配になるくらい見た目も味もうまかったが、普通にお会計済ませて帰った。(カウンター席だったこともあって)食っている間ずっと、千と千尋の父さんと母さんの豚がハエたたきみたいのでぶたれる音が頭の中で響いていた。「現代の桃源郷である歌舞伎町はまずメシもうまくてはいけないのだ」と思った。

薄氷の殺人

薄氷の殺人

  • リャオ・ファン
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